「Clicker Tower RPG 3」自分なりのスマホ向けお手軽RPG第3弾を作成したときおよび失敗したときのことを振り返る

スマホ向けゲームアプリを作り始めてからは地道にではあるもののなんとか少しずつプレイしていただける方が増えてきたように感じてきた Clicker Tower RPG シリーズ。
前作の Clicker Tower RPG 2 が今までの作品で比較するとなかなか反響があったように思います。

ですので前作をリリースした直後に、続編を作ろうと思うまでに時間はかからなかったのですが、いかんせんアイデアが思いつかなかったのですよね。このシリーズはやることがシンプルなため、同じことをおこなっていてもおもしろくないだろうと思いましたので、なんらかの新要素が必要だろうと感じていました。

そんなことを日々考えながら、なんとか作成したゲームが「Clicker Tower RPG 3」です。

目次

ゲーム概要

  • 自宅からスタート。飼い猫がいなくなったので探しに行くというストーリーになっています。
  • 移動したいオブジェクトをタップすることで移動したりすることができます。
  • 塔の中では敵をタップで倒していきます。
  • 基本的にはフロアの敵を全滅させると上に登る階段が出現します。
  • 各フロアには宝箱があり、条件を満たすと出現します。
  • 条件を満たすと新たな塔などが出現します。

使用したツール

Unityを用いて開発を行いました。
前作(Clicker Tower RPG、Clicker Tower RPG 2)と同様、マップエディタ類のツールは使用せず、prefabsで直接各マップを作成しました。
この方式、自由度が高いのは良いのですがあとからゲームバランス調整するのが面倒くさくて、せめてパラメータ類くらいは別形式での管理にすればよかったと思います。DBとかCSVとかScriptableObjectとか。

音楽については PANICPUMPKIN様 の音楽素材を使用させていただきました。

セーブデータの管理については、UnityですとPlayerPrefsという仕組みを用いることが手軽ですし多いのですが、このPlayerPrefs、ちょっと処理速度が遅いという評判を耳にしていましたので、前作のタイミングで色々調べてみて、PreviewLabs.PlayerPrefs というライブラリを用いました。
これが本作品にて悲劇を生み出してしまいます・・・・・いや、PreviewLabs.PlayerPrefs が悪いわけではなく、きちんと中身を理解せずに使用していた自分が悪いのですが。

グラフィックについては Aseprite というドット絵エディタを使用しました。

目指したもの

Clicker Tower RPG から Clicker Tower RPG 2 のときは、世界観から変更するなど、割と大きく変化しましたが、今作は前作と世界観はあまり変わらないため、

マップについても探索要素が少し存在するようなテイストを入れよう、と考えました。

1枚絵のマップで塔をタップして入るだけの前作よりやることが増え、なにかちょっとだけ冒険している気分が増すのではないか、というのが狙いでした。

塔の中でできることはあまり変わらないのですが、なるべく飽きない形でプレイしてもらいたいということもあり、敵キャラクターの種類を増やす、という対応をとりました。

ひとことで言ってしまうと、要はボリュームアップをしよう、ということです。

このボリュームアップですが、自分のキャパシティ以上のものをやろうと思うとよく起こる出来事だと思っているのですが、本作開発時も例外ではなく、つらくて開発中断してしまう、という現象が起こりました。

自分がゲーム開発に確保できる時間やそもそものスキル・センス等を考えると、この当時 Clicker Tower RPG 3 という作品はほんの少しボリュームが大きかったように思えます。

作成している途中で、なかなか進捗状況が進まないことからなのか、「これって面白いのかな?」「面倒くさくなってきたな」「これだけ時間かけておきながら不評だったらどうしよう」などといった感情が芽生えてくるようになり、開発をすすめることが億劫になってきたりするんですよね。

本当に、自分のキャパシティに見合った開発規模になるように気をつける必要があると思います。

実際に出来上がったもの

開発中断期間を経たりもしつつ、なんとか完成したものは前作に比べても悪くない作品ができあがったと思っています。

初動についても今までの作品の中では1番良く、それなりには楽しんでいただけていたように見えました。

セーブデータを飛ばしてしまうバージョンアップ

とある調整を行ったバージョンアップをAndroid向けにリリースした際に、セーブデータを飛ばしてしまうという出来事を発生させてしまいました。

このバージョンアップの直前に、Unityのアップデートを行っていました。Unityのアップデート自体は、アプリのバージョンアップを継続していくためにも必要なことだと思います。

このUnityのアップデート前とアップデート後で、Application.persistentDataPath で参照されるディレクトリに変更があったのですが、

この作品(Clicker Tower RPGシリーズ)でセーブデータの管理として使用していたライブラリ PreviewLabs.PlayerPrefs、こちらのセーブデータ用ファイル保存先として使用されていたのが、Application.persistentDataPath であったため、

アプリのバージョンアップ前とバージョンアップ後でセーブデータの参照先が異なるという状況になってしまい、バージョンアップ後のアプリはバージョンアップ前のセーブデータを見つけられずにセーブデータが無いと判断され、最初から始まってしまう、という現象が、セーブデータ消失現象の内容です。

こちらの現象については、バージョンアップ版の正式リリース前にきちんとテストを行えていれば防げた内容の物でした。
今まで大丈夫だったということでこのようなことが起こることを想定できていなかったということと、内容を全く理解せずにライブラリを使用していたということが、このようなことを起こしてしまった原因であったと考えます。

本件でご迷惑・不愉快な思いをさせてしまった方々には大変申し訳ないことをしてしまいました。

あらためて謝罪と、今後このようなことを起こさないという自戒の念をこめて、書き記しておきたいと思います。

リリース後に思ったこと

ゲーム自体については、この時点でわたしのスマホゲーム作品のなかでは1番良くできていたのではないかと個人的に勝手に思っています。

ゲーム自体に関する評価も、それなりにではありますが、上記不具合に関すること以外ではそこまでは悪くはなかったと感じています。

ただ、毎回思いついた実現できそうなアイデアは後先考えずに盛り込んでしまう性格なため、このシリーズ・形式でのアイデア・やりたいことがこの時点では完全に底を尽きてしまいました。

セーブデータを飛ばしてしまったという罪悪感とネタ切れにより、正式な続編を作ろうという気力は生まれず、今度は路線は引き継ぎつつも、違った形のゲームを作ってみようかな、と考えました。

2017年3月作

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この記事を書いた人

ゲーム作ったりドラム叩いたり格ゲーやったりしている人です。

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