前作のBomberBomber2公開後、そちらの記事にも書きましたが作りたいゲームのクオリティのベースが上がってきています。
そのため、なかなか次回作に取り掛かることが出来なかったりしていたのですが、それはそれとしてBomberBomber2をリリースしたことにより、
「もうちょっと難しい、大規模なゲームでもなんとか作り上げることができるのではないか・・・?」
という考えを持っていたことは事実です。
そこで、元々大好きだった 魔城伝説II ガリウスの迷宮 のような、画面切り替え式の、サイドビューで剣を振りながら敵と戦いつつ、アイテムを集めつつ強くなっていくゲームを頑張って作ってみよう、と思い立ちました。
そこで作成したゲームが「お姫様の憂鬱」です。
ゲーム概要
スペースキーで攻撃。経験値が一定値たまるとレベルアップ。
敵や敵の攻撃およびトゲを踏んだりするとダメージを受け、体力がなくなるとゲームオーバー。セーブしたところからやり直しです。
ジャンプしたり階段上り下りしたり人と会話したりしながら進めていくサイドビューアクションRPGゲームです。
使用したツール
Visual C++ と elライブラリ を用いて開発しました。
もうすこしだけこの組み合わせによる開発自体は続けていくのですが、実際にリリースまで持っていくことができた作品となると、結果的にはelライブラリでの最後の開発となりました。
グラフィックについては、まずはたたき台としてテストプレイした段階でどんな敵・アイテム・キャラなのかが分かる程度には全部自分で作成し、そこから友人知人(今作は2名)にグラフィックを作り直してもらいました。
BomberBomber2の時は、画像点数が大したことなかったので頼みやすかったのですが、今作は自分の作品としてはかなりの画像点数となってしまいましたので、今考えてもとてもとても恐縮で、よく対応していただけたなぁ、と感謝しかありません。
音楽については、CakewalkでMIDI作成していたようです。
タイトル・メインテーマ・ボス・ゲームオーバーの曲を作りました。メインテーマとボス用の音楽は割とちゃんと作った記憶があります。
エンディング曲だけは友人から拝借しました。
ただしいま聞くと、当時のMIDI音源と違うので、意図通りには聴くことができないんですよね。これがmidi形式の残念なところです。
目指したもの
最初はガリウスの迷宮を意識したものの、さすがに似せることは出来なかったので、
- 冒険している感じが出る
- 操作性の良さ
- 強くなっていく楽しさ
- ボス戦の楽しさ(最重要)
といったところを重視して開発を進めました。
実際に出来上がったもの
操作性については、最低限のラインはクリアしているのではないかと思います。
慣性的なものもなくキー入力がそのまま移動に繋がるという点は、面白みが無いといえば無いですが、及第点ではないでしょうか?
マップ画面数もそこそこ広く、確認したら、25×10(250)画面分ありました。
マップ管理については、ソース内に直接多次元配列を直書きしていました。
このような感じで。力技ですね。
画面同士のつながりとか考えると結構たいへんだったはずなのですが、我ながらよくやったなぁ、といったところです。
ちょっとずつ強くなっていき、ちょっとずつ楽に進めるようになっていったり、勝てないボスにも少しレベル上げをすることで勝てるようになったりと、強くなっていく楽しさはある程度実現できていましたが、レベルアップのゲームバランスってやっぱりなかなか難しく、
この作品の場合、レベルゲージをMAXまで使い切りたいという理由で、途中でガンガンレベルが上がるエリアがあったりと、そのあたりの調整は甘かったです。これっていまだに悩み続けているポイントなんですけどね。
敵は10種類ちょっとくらいで、そんなに多くはないんですけど、ボス戦については、当時としてはかなり頑張ったと思っていまして、ボスは隠しボス含めて10種類いました。
- おおきくジャンプして、着地すると上から石が落ちてくるボス
- 移動を繰り返しつつ、ときどきゆうれいが放出し続けるボス
- ひたすら上に石を打ち上げるボス
- 頭からゆっくりとした小さな弾を大量に吐き出し続け、攻撃を当てるとワープするボス
- ラグビーボールをひたすら転がし続けるボス
- 縦にぎっしり並んで左右から突進してくるワニのくちのようなボス
- 動き回りながら爆弾を設置・爆発させてくるボス
- ひたすら動き回りながら小さい弾を乱射するボス
- 小さいお姫様が画面内を舞うなか、足場の悪いところを渡りながら攻撃しなければいけないボス
テキストだけだとよくわからないですが、今見返してもボスによってはよく考えたなぁと、まあまあ感心しています。
個人的にはワニのくちのようなボスがアイデア賞です。たまには自分を褒めてあげたい。
悪い癖で、ちょっとしたユーモア(ブラックユーモア)が含まれてしまっていますが、そこはご愛嬌。良く言えばわたしの作品の色ということで。まだ若かったですし・・・
リリース後に思ったこと
個人的には結構な大作を作り上げたという充実感が大きかったです。そこそこの反響もあったように思います。
グラフィックについてもすべて他の方に作ってもらいましたので、見た目もよく、満足の出来でした。
当時の感覚としては、「これは結構反響あるんじゃないかなー」なんて思ったりしたものです。
しかし、このような淡い期待というものは、あまり過度に持たない方が良いです。
当時の自分は気づいていませんでしたが、わたしの例でいくと、この後6年近くゲームをリリースしていない事実もあることから、期待を裏切られることに対する失望感というものは、何かを生み出そうとする力をかなり奪ってしまいます。
何かこう、勝手に自分で努力が報われると思い込んでいたのに、それが大して報われなかったという事実は、かなりきついものがあったのではないかと、振り返ってみるとそう思います。
作りたいゲームをただ作りたい、そして完成してうれしい!だけでは満たされなくなってしまっていたのでしょうね。
特に目標となるゴール設定も何もしていなかったにも関わらず、何かを得たいというのは、今考えても矛盾していますしね。
もっとも、当時の環境の変化等によってゲーム開発の優先順位が下がったという事実があったことは間違いないのですが、上述したいわゆるモチベーションの低下というものは、やはりやる気を削いでしまうものです。
このあたりのコントロールを上手く出来るようにすることは大事ですね。
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